新車や著名車を、まるでカットモデルのように自在に切って、外からは目に見えぬ構造や技術的特徴を二次元の図解イラストレーションで表現し、写真では決して表現できない感動を伝える。それは自動車の“美”であり、モータスポーツの“興奮”である。
自動車透視図は、テレース技術や着色手法を身につけた上で、自動車の構造を理解して、実車のカットモデルでさえ表現しきれない部分までも書き出す。構造や新技術は、カタログデータの数値や資料や写真から読み取らなければならない。さらには資料となるものが少ないレーシングカーやクラッシックカーなどは、自ら実車を取材して、写真を何枚も撮って描き上げることもある。そうして1台の「自動車透視図」を入念に仕上げる根底にあるのは「描くこと。そして、クルマが好きだから」という寿福隆志のアーティスト魂だった。
今回、東京オートサロン2010で展示した「寿福隆志テクニカル・イラストレーションギャラリー」でも大好評だった透視図複製原画を販売いたします。
寿福隆志の“生き様”が描かれた透視図テクニカル・イラストレーションをどうぞご堪能ください。
1945年、鹿児島県生まれ、東京育ち。子供の頃から絵を描くことが好きで、当時の男の子の例に漏れず船、飛行機、鉄道、車など、乗り物に興味を持つ。大学中退後、自動車専門誌の出版社、三栄書房に入社。「モーターファン」「AUTO SPORT」など、15年の間、透視図を中心に数多くのイラストを手がける。1982年に退社。有限会社エリプスガイドを設立。最近では「モーターファン・イラストレーテッド」に毎号透視図を描いていた。2010年1月20日永眠の直前まで自宅アトリエでテクニカルアート制作。