アバルト595は個性的なスタイルと痛快な走りで人気のモデルですが、一部では「やめとけ」「買って後悔した」との声も聞かれます。この記事では、そう言われる理由や、実際のオーナーの体験をもとに、後悔しないための選び方と対策を徹底解説。筆者の試乗レビューや維持費・中古相場、ライバル車との比較も交えて、アバルト595が本当にあなたに合った1台かどうかを見極めましょう。
アバルト595はなぜ「やめとけ」と言われるのか?
維持費が高くつきやすい
アバルト595は輸入車であり、純正パーツや点検費用が国産車より高額です。特にハイオク指定燃料、スポーツタイヤ、ブレーキパッドなど、スポーツカー由来のコストがかかります。
乗り心地がかなりハード
走行性能を重視したサスペンション設定により、街中の段差や継ぎ目をかなり拾います。快適性より運転の楽しさを優先する車なので、日常用途では疲れることも。
室内空間が狭い
ベースがフィアット500のため、前席は狭め、後席は実質的に荷物置きスペースと割り切る必要があります。実用性を求める方には不向きです。
後悔せず楽しめる人の特徴とは?
「趣味性」を重視している人
走りやデザインに魅力を感じ、多少の不便や出費も楽しめる人に向いています。通勤や買い物より、休日ドライブを楽しみたい人にはぴったりです。
他の車と使い分けができる人
アバルト595はセカンドカーとしての人気も高く、日常はミニバンなどを使い、595は“走る楽しさ”を味わうためのサブカーとするスタイルがベストです。
中古相場と年間維持費の目安
中古相場の目安(2025年時点)
年式 | 価格帯 | 特徴 |
---|---|---|
2015年 | 130〜170万円 | 旧型・走行多めが中心 |
2018年 | 160〜200万円 | 人気の限定車が多く出回る |
2021年 | 200〜250万円 | 走行少なめ、現行型中心 |
年間維持費の内訳(一般的な例)
- 自動車税:約30,000円
- 任意保険:約80,000〜130,000円(等級・年齢により変動)
- 車検代:約100,000円
- ハイオク燃料代:約120,000円(年8,000km走行時)
- メンテナンス・修理費:約50,000〜100,000円程度
合計:年間約38〜45万円程度を見込む必要があります。

ライバル車との比較表
車種名 | 維持費 | 室内の広さ | 操作性 | 燃費 | 価格帯(中古) |
---|---|---|---|---|---|
アバルト595 | 高め | 狭い | ◎ | △ | 130〜250万円 |
MINI クーパーS | やや高め | 普通 | ◎ | △ | 150〜300万円 |
スイフトスポーツ | 安い | 普通 | ○ | ○ | 100〜180万円 |
トヨタGRヤリス | 高め | 狭い | ◎◎ | △ | 250〜400万円 |
筆者が試乗して感じたこと
私はこれまでに複数のスポーツコンパクトカーを所有・試乗してきましたが、その中でもアバルト595はとにかく「感情を揺さぶる」クルマだと感じました。
実際にアバルト595コンペティツィオーネ(MTモデル)を都内の試乗ルートと高速道路で計2時間運転した体験がありますが、エンジンをかけた瞬間からただの移動手段ではなく“走る楽しみを体験する時間”が始まった感覚がありました。
特に印象的だったのは、アクセルレスポンスの鋭さと、低速からでも感じられるトルク感。そして、マフラーから響く「バリバリッ」と乾いたサウンド。まるで小さなレーシングカーに乗っているような没入感があり、運転そのものが特別な体験になります。
一方で、試乗後に長時間の運転疲れや、段差を乗り越えるたびのショックが気になったのも事実です。ファミリーカーや毎日の通勤用には正直おすすめできませんが、「人生で一度はこういう車に乗ってみたい」と思わせる魅力は確かに存在します。
このような体験からも、「アバルト595はやめとけ」と一括りにされがちな声に対し、本質を知ったうえで選べば、むしろ“後悔しない1台”だと自信を持って言えます。
アバルト595をおすすめしない人の条件
- 快適性や静粛性を求める人
- ファミリーカーや通勤車としての用途を考えている人
- メンテナンスに手間や費用をかけたくない人
- 後席や荷室を日常的に使いたい人
よくある質問(FAQ)
アバルト595は「やめとけ」と言われる理由はあるが、選び方次第で満足できる1台
アバルト595は確かに万人向けの車ではなく、快適性や実用性を重視する方にとっては「やめとけ」「後悔した」と感じる可能性はあります。しかし、以下のような点を理解し、自分のカーライフに合うかどうかを見極めれば、他にはない魅力的な選択肢になることは間違いありません。
- ハードな乗り心地や高めの維持費には覚悟が必要
- 趣味性や走る楽しさを重視する人には最高の相棒
- 中古でも魅力が衰えず、希少グレードはリセールも期待できる
見た目の可愛さに惹かれて購入すると「思ってたのと違った」と後悔するリスクもありますが、試乗やライバル車との比較を通して、しっかりと自分のニーズに合っているかを確認すれば、アバルト595は“本物の楽しさ”を味わえる稀有な1台です。